なろうの高貴な純文学について読み解いてみた。part1

こんにちは、AIKWです。

このコーナーでは「小説家になろう」で書かれた素晴らしい芸術性を秘めた文章について凡人の僕が彼らに遠く及ばない頭で考えた文章の意味を解説したいと思います。

今回はこちらの文章!

店主は金貨が入った袋を取り出して金貨を棚の上に並べ始める。一枚、一枚ゆっくりと。

「宗室くん……彼は一体何をしているんだろう」
「金貨を用意しているのは分かるが……これは」

私は思わず頭を抱えたくなるのをぐっと抑えて店主の行動を見る。
彼は数えているのだ、金貨を一枚、一枚丁寧に。それはありがたい事ではあるが非効率だ。

「すまない。少し手伝わせて貰うよ」

袋に手を突っ込んで十枚の金貨を取り出す。それを棚の上に積み上げた。
そしてその行為を十回繰り返す。これで十枚の金貨が十セット出来て百枚の金貨が揃った。

「んあ、これで百枚になったって言うのかよ?」
「ああ、数えてくれても構わない」
「どれどれ…………本当だ百枚になってやがる!!」

偉く驚いた様子で歓喜の声を上げる店主。私はそんな彼の事などどうでも良いので金貨を受け取って立ち去ろうと思ったのだが。

「アンタ何者だ! こんな革命的発想を思い付くなんて只者じゃねえな?」

後ろから店主に呼び止められる。仕方がないので私は一度、去ろうとした歩みを止めて後ろを振り返り。

「私の名前は島井宗室。君と同じくして、一流の商人を目指すものさ」

いやぁ~素晴らしい! 本当に素晴らしい!

この文章、僕は太宰治やヘルマン・ヘッセなどより優れていると考えます。

では早速読み解いていきましょう!

1つ目 完璧な情景描写と印象の与え方

【店主は金貨が入った袋を取り出して金貨を棚の上に並べ始める。一枚、一枚ゆっくりと。】

洗練された文章ですね!

凡人がこれを書いてもここまで情景を脳裏に浮かばせることはできないでしょう。

脳内で少し年を取った男が袋から金貨をゆっくり、ゆっくりと取り出しているようすが浮かんできます。

僕は最初、この部分を読んで思わず涙を流してしまいました。

おそらくこの道でずっとやってきた店主、彼の手で今までいくらの金貨が数えられてきたのか

と想像すると夜しか眠れません!ここは店主の積み上げてきたものを読者にたった一文で伝えている素晴らしい文章です!

2つ目 倒置法の効果的な利用

私は思わず頭を抱えたくなるのをぐっと抑えて店主の行動を見る。

彼は数えているのだ、金貨を一枚、一枚丁寧に。それはありがたい事ではあるが非効率だ。

彼(店主)の努力をくみ取ってあげる主人公、もう感無量です。全米が涙しますね。

そしてここでも 金貨を一枚、一枚丁寧に。という部分があります。

この部分が読者に与えるイメージをより具体的なものにしていますね!

そこまで計算して書かれているとは!

更に倒置法を使用することで、主人公から見たときの心情をとても素晴らしく表現しています。

こんなことできる作家がこの世にいるとは思いもしませんでした。

3つ目 主人公の魅力

「すまない。少し手伝わせて貰うよ」

なぜ手伝う??

アドバイスだけでもいいのになぜ?

短い一文で主人公の人当たりのよさ かっこよさ 優しさ 賢さをすべて表現しています。

これも作者の異常な力量あってこその文だと僕は思います!

すまない。 と、きちんと不変なものへ革新を起こすことの罪悪感を感じていることも更に素晴らしいですね!

4つ目 場面展開の速さ

「んあ、これで百枚になったって言うのかよ?」
「ああ、数えてくれても構わない」
「どれどれ…………本当だ百枚になってやがる!!」

まず特筆すべきはこの流れるような会話!

無駄な文章を一切いれず、ただ話の内容だけを淡々と伝えることを読者が読みやすいと判断しておられ素晴らしい文章だと思います。

どれどれ………… この12個の星屑のような点が織りなす時間の流れのすばらしさ!

あれだけ見ているだけでじれったい金貨の数える動作を読者には12個の点で表現していますね。

5つ目 主人公の器の大きさ

偉く驚いた様子で歓喜の声を上げる店主。私はそんな彼の事などどうでも良いので金貨を受け取って立ち去ろうと思ったのだが。

どうでもいい?

こんな大発見なのに?どうでもいい?

主人公の器DEKEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!

作者様のあふれ出る文才を前に取り乱してしまいました、すみません。

この場面のポイントは 店主の歓喜の声です。

店主、彼は積み上げてきたものをすべて彼によって崩されたのです。

しかし彼は歓喜の声を上げる。 この行為になんの意味があるのか

それは店主の心の強さを表しているのです。 店主はきっと悔しいでしょう

しかし、客の前で涙を見せるわけにはいきません。 彼はきっと悲しみを押し殺し歓喜したのです。

ここまで深く設定を練りこみつつ、さらに読者に伝える。

本当に脱帽です。

6つ目 主人公の読心術

「アンタ何者だ! こんな革命的発想を思い付くなんて只者じゃねえな?」

後ろから店主に呼び止められる。仕方がないので私は一度、去ろうとした歩みを止めて後ろを振り返り。

「私の名前は島井宗室。君と同じくして、一流の商人を目指すものさ」

店長が一流の商人を目指しているとは限りません。ならばなぜ読み取れたのか。

それは主人公が心を読んでいることをひそかにアピールする伏線でしょう!

更に主人公は店主にしっかりと名乗る。商人の鏡じゃないですか!!!!

文章を見ると

後ろを振り返り。で句点をなぜ付けているのか… それは主人公が彼の思いを受け止めたという表現なのです!

これにより言葉に重みを出し振り返ることで思いを受け取ったと強く読者に伝えたかったのでしょう!

と以上で終わりになります。

いやぁ~こう見るとすごいですねぇ…

僕もここまで考えて文章を書きたいです!

では、最後まで見ていただきありがとうございました!

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