Vシネマ「仮面ライダースペクター」とやらを見たので感想とやらを。

どうも、南元暁です。

本日、プレミアムバンダイからVシネマ、

仮面ライダーゴーストRE:BIRTH 仮面ライダースペクター

が届きました。

この記事を見るような人は知ってることだと思いますが、仮面ライダーゴーストとは今やってるエグゼイドの一個前の仮面ライダーで、物語の一話でいきなり主人公が死ぬというぶっとんだ作品です。

お察しの通り、仮面ライダースペクターはゴーストに出てくるいわゆる2号ライダーですね。

苛烈な性格、クールな外見、その活躍から好きな方も多いと思います。

勿論フィギュアーツはスペクターとディープスペクター両方買いましたとも。

眼魂となってしまった妹の為ならば昔生き別れていた幼馴染を足蹴にしまくったり、蘇生の阻止をしたり、「お前は甘い」と突然罵ったりと刺々しい一面が目立つ彼ですが、優しい一面もあり、仮面ライダーネクロムことアランが迷った時には手を差し伸べるなど兄貴分という立場の頼れる男です。

そんな彼が主人公の仮面ライダースペクター。

はっきり言って最高でした。

巷ではあまり評判の良くない仮面ライダーゴースト(僕は好きです)ですが、その本編で拾いきれなかった設定やその後、伏線などを大量に回収していった快作になっております。

※以下ネタバレ含まれるので注意をお願いします(多分)

一回見ただけなので細部は怪しいです。

本編の最後で眼魔世界を変える、と旅立っていったマコト、アラン、カノンの三人。

正直眼魔世界の話はあまり描かれていなかった部分が多く、ただ単に青空を取り戻すだけかな、と思いきや本作を見るとその印象はガラリと変わりました。

まず最初に大量の墓が画面に映し出されます。

あぁ、グレートアイが去ったから人々は眼魔世界の毒で侵されているのか、だから眼魔世界を変えなければいけないのか、と真面目といえば真面目ですがおちゃらけの多かった本編とは一転したシリアスな空気から始まります。

グレートアイを倒すことは人間を守るために仕方なかったことですが、その弊害がこういう形になっているんですね。

本編の時は気がつかなかった問題がいきなり浮き彫りになってはっとしました。

アランは「死んでいった仲間のために眼魔世界を変えなければ」と死んだ眼魔世界の住民たちに誓い、その場でマコトとも「お前が道を間違えたら俺がお前を殴って止めてやる」と約束します。

このシーンが後で生きてくるんですねぇ。

そして、ちらりと映った気色の悪い男。

この男がいなくては話が始まらないというか、この話自体がこの男だというくらいの重要さと存在感を放つものすごい男です。

アカリと、なんとイゴールが眼魔世界の毒を帯びた大気を改造する装置を開発し、それを眼魔世界へ持ち込みますがこれまでずっと失敗続きで、今回で七回目になる実験をします。

ビンタされそう!って時に嬉しそうにしてるイゴールが笑えました。

あと、御成が探偵っぽくなっていました。

なんでもジャベルと色々あったそう。

相変わらず御成は御成で安心したと同時にとても懐かしく思えましたね。

そしていざ実験を……!という時に、空からなんか超デカイのが落ちてきます。

なんだなんだ、と大天空寺の面々。

マコト兄ちゃんが一人で様子を見てくると言いましたが、どうせならみんな連れてってやれよ、と。

まぁ御成は勝手についてきて、それが結果オーライとなったわけですが。

その超デカイのが落ちてきて、その中から先ほどの奇妙な男。

「ただいまぁぁぁぁぁぁ!!!」

と天に向かって大声をあげ、最初っから変人っぷりをアピールします。

男の名はダントン、いきなり高岩眼魔を殺し、吸収してそのやばさを見せつけますが、その光景を追いかけてきたマコト兄ちゃんは目撃せず。

「戦う気は無い」というダントンの言葉に惑わされてしまいます。

しかし、ダントンに触られた瞬間マコトになんだか違和感が……

ですがマコトはそれを不思議に思っただけで特にどうということはありませんでした。

この小さな違和感が後々の展開に繋がっていくのか、とCMである程度のあらすじを知っていた僕はそう思いましたね。

それと、あとちょっとタイミングがズレてたら……と思うと高岩眼魔も無念ですね。

ダントンに「街を案内してくれ」と言われたマコト兄ちゃんは監視の目的もあったのでしょうか、人々が暮らす街を案内します。

とはいっても眼魔世界の街は荒れ果てて、お世辞にも街と呼べるほどの代物ではありませんでした。

タケルたちの世界が救われた裏でこんな世界もあると考えると、本編の終わりが一概にハッピーエンドとは言いづらくなってきました。

終わった作品の評価まで変えるなんてなんて罪深いんだスペクター。

その不満は人々にも募っており「生身の体なんかいらなかった」「余計なことをして」「アラン様のやろうとしてることは妄想だ」なんて、罵倒を影から言われてしまいます。

確かに、生身の体がない、機械的な生活をしていた人々ですが、生身の体になってしまえば眼魔世界の毒に侵されてしまいますよね。

しかしああしなければみんな死んでいたと考えるとアランも辛いところ。

これを聞いてなくてよかったです。

そんな不満を知ったダントンは「私が世界を救わねば」と使命感を露わにします。

なんでもこのダントン、眼魔世界を作った者たち一人だそうで、人々をどう毒のある眼魔世界へ適応させるかというところでアランの父、アドニスと対立していた模様。

人間を眼魔にして、肉体のない生活を送らせるか、人間の肉体を改造して眼魔世界に適応させるか。

どちらもヤバイ思想ですが、こうでもしないと生きていけないくらいキツイのが眼魔世界なんですね。

もっと本編でこういうところを描いてくれてもよかったのに。

結局それを巡って戦争が起き、アドニスが勝ち、本編の通り人間は眼魔へ姿を変えて生きていきます。

しかし、グレートアイが去ったことによってそれは解けてしまい、人間が生身になり、アドニスが死んだことでダントンは眼魔世界へ帰還してきた。

あいつは危険だ、と警鐘を鳴らすマコト以外の面々。

特にアランなんかは危機感マックスですね。

しかしそんなことはつゆ知らないマコト兄ちゃん。

ダントンの大らかな性格にだんだんほだされていき、たこ焼きを食べながら頭に自然に浮かんだ子守唄的なのをダントンと歌います。

歌いきった後で「何故俺はこの歌を知っている」的顔をしますが、その疑問が解決することはなくダントンは「また会える気がする」と去っていきます。

マコトからすれば完全にいいおじちゃんですね。

そしてみんなの元へ帰ると、マコト兄ちゃんは「ダントンがそんな奴には思えない、彼には彼の正義がある」と自分の素直な感想を口にします。

しかし人間を改造ということがどういうことか知っているアランたちは「あいつは危険だ」と言い張り、平行線だ、とマコトはもう一度ダントンのもとへと戻っていきます。

ここで友情に小さなヒビが。

いきなり対立させるんじゃなくてこういう小さな積み重ねをするところに好感が持てます。

そして、ダントンの居場所へ到着したマコト。

なんだか現実味のない部屋で、一種の不気味さを演出しています。

そんな中、なんとマコトのことを息子と呼ぶダントン。

自分の父は深海ダイゴだと思っていたマコトはその事実を信じられず、ただうろたえるばかり。

しかも、自分は人間ではなく、ダントンの作り出した人造人間だと知らされるマコト。

本編で、マコト兄ちゃん関連の話はなかなか不可解なところが多く、増えるマコト兄ちゃんや生き返るマコト兄ちゃんなど謎が多いまま終わったのですが、その謎が一気に解決した場面。

そして、映し出される大量のマコトとカノンが入ったシリンダー。

腕やら足やらがない、『不完全』なマコト達が大量にいるなか、奇跡的に動き出したのがマコトだそう。

その事実に動揺を隠しきれないマコトは激しく狼狽し、その場を後にします。

その時、ダントンをパパと呼ぶクロエという、カノンに似た少女。

怪しい。

それと、ダントン曰く不完全なマコトがシリンダーの中から十五体減っているそう。

そう、それはガンマイザーと同じ数なのです。

ガンマイザーがマコトと同じ姿をしていたのは、ダントンが作った不完全なマコトを基にしていたからだったのでした。

うーん、上手く繋がってる。

そしてそんな中、ダントンが眼魔世界の人間を集めて演説を開始します。

「私が世界を救う、私しか世界を救えない」と。

それを見たアランとタケル殿達は「騙されるな!」ところりといきそうな人々に呼びかけ、大気を変えることが出来れば改造などされる必要はないと力説しますが、それがいつになるかという目処が立っていないことを指摘され「私は死にたくない!」と一人、また一人とダントンのもとへと人々は行ってしまいます。

「やむを得ない」とら真面目に変身して戦うアラン様の横で何フラグを立てているんだタケル殿。

プレイボーイか貴様は。

そういえばゴーストの変身はなかったですね。

ちょっと残念。

ボコボコにされ、精神的にも打ちひしがれるアランと、自分は人間じゃないという事実で放浪するマコト。

「俺たちは一体なんなんだ!」

自暴自棄になり、カノンちゃんに抱きついてしまうマコトですが、そのときなんと、カノンちゃんが空から降ってきた岩の下敷きになってしまいました……と思ってたら、間一髪ダントンがカノンを助け出していました。

片腕を失って。

「なんでそこまでしてくれるんだ」というマコト兄ちゃんの問いに「お前は息子だからだ」とあくまで人間扱いしてくれるダントンをマコトは次第に信じていくようになります。

そんな二人はやがて、自分の信じる正義で人々を救うため

「人々を救うためダントンを倒す(守る)!」

と決闘を始めてしまいます。

作られた命ながら、自分のことを人間と呼んでくれたダントンを信じるマコト、自分を守って死んだ父の言葉を信じるアラン。

豪雨の中、マコトはディープスペクター、アランはネクロムに変身して戦いますが、流石にディープスペクターの力の前にはネクロムは敵いません。

善戦するも一瞬で変身解除まで追い込まれるネクロム。

そこで、アランはマコトとの思い出話を始めます。

自分を「大帝の息子」としか扱わず、敵うものなどいなかった中で、友人として接してくれたマコト。

冒頭で交わした、お前が道を間違えたら殴って止めてやる、という約束を、「私がお前を止めてやる」と果たそうとしたとき、その思いがネクロム眼魂を友情バースト魂へと変化させます。

DXメガウルオウダーには、ネクロム、グリム、サンゾウ、汎用音声しか収録されていなかったため、どうやって変身音を作るのか疑問に思っていましたが、まさかそうしてくるとは思ってもいませんでした。

メガウルオウダーに友情バースト魂をセットし、本体のローディングのボタンを押し、待機音。

そしてテンガンせず、もう一度ローディングのボタンを押すことによって変身を完了します。

バーーースト!俺がバースト!友情バースト!止めてみせるぜお前の罪!

という普段のネクロムとは違う、熱い音声へと変化した変身音の後、金の意匠が組み込まれたネクロム友情バースト魂へと変身。

この姿になるとディープスペクターと互角以上の戦いを繰り広げられるようになり、オメガドライブでマコトを追い詰めますが、必殺技後の隙を突かれて、マコトのディープスラッシャーで腹を貫かれてしまいます。

あぁ、アラン様が死んだ……(生きてました)

その事実に流石のマコト兄ちゃんも狼狽えながら「すまないアラン……こ、こうすればみんなは救われるんだ!」と自分を弁護するように去っていきます。

そしてダントンの部屋へ帰ったマコトですが、そこで目撃したのはとんでもないダントンの姿。

なんとダントンは、彼を信じてついてきた人たちを吸収し、失った腕をまた生やしたのです。

しかも、一度眼魔世界の毒に侵されて死んでしまった、と話すカノンちゃんを殺そうとします。

眼魔世界の毒で死なない、完璧な人間を作り出していたはずなのに、死んでしまったカノンは完璧な人間ではない、失敗作だと首を締めます。

「失敗作のために腕まで失ってしまった」と先ほどまでの態度とは打って変わった残酷なダントン。

この辺り、ダントンの頭のおかしさと選民意識がもろに出ていて、化けの皮が剥がれた感があってよかったです。

正直、アランの言い分はただの理想主義で、助かるならダントンの方が確率が高いとさえ僕は思っていたのですが、アラン達はこういうことを危惧したのですね。

しかもアカリ達が作っていた装置から、一番重要な、大気を浄化する石を抜き取っていた模様。

このお陰で実験は成功するどころか、逆に大気汚染する結果になってしまいます。

そんなダントンをマコトは許せない、と覚悟を決めます。

自分の兄弟とも言える、失敗作のマコト達を全て破壊し、自分の存在を否定します。

一つずつ、自分の罪を数えていくマコト。

仲間を信じなかった罪、兄弟を殺した罪、友を手にかけた罪、などなど、そして最後に

『ダントンを信じた俺の罪』を背負って生きていくと宣言したマコトは、自分の体内から、以前タケルがやったように『シンスペクター眼魂』を排出し、いつもと変身ポーズを変えて変身します。

シンカイガン!シンスペクター!プライド!グリード!ラスト!ラース!エンヴィー!グラトニー!スロウス!ブレイク!デッドリーシン!

仮面ライダーシンスペクターへと変身したマコトは、同じく怪人態へと変身したダントンと決闘を始めます。

ここで驚いたのが、シンスペクター眼魂に収録されていた必殺技が全部使用されたことですね。

こういうのは大抵何個か披露すればいい方だと思っていたので。

しばらく戦いますが、やはり不死身のダントンには敵わず、苦戦を強いられますが、マコトの三人の父親のことを思い出しながら次第に押していきます。

精神の父である天空寺龍、厳しかったけどずっと思っていてくれていた深海大悟、そして自らを生み出したダントン。

「俺の生き様見せてやる!」

と、本編でbotのように言っていたセリフを、今回はちゃんと熱く、説得力を込めて最後の必発技を放ちます。

ダントンはそれを受け止め、やがて敗北します。

一方、ダントンから石を奪い取っていた御成がそれをアカリ達に届け、御成節全開で装置はセット。

装置は正常に作動し、やがて眼魔世界に念願の青空が広がりました。

そして最後「青空もいいものだ」とマコトに言い残して消滅していきます。

ダントンはただの悪役ではなく、父親としての側面を持っていたところから憎めない悪役となりました。

彼にも彼なりの正義があったとなると、今作に悪などいないのかもしれませんね。

そしてラスト、生きていたアランが「大帝としてではなく、一人の人間」としてみんなと歩んで行くことを青空の下誓い、眼魔世界の発展を願います。

最後の最後。

三人の父の姿に見送られるマコト。

これは人間としてみんなの元に戻るのか、はたまた自分の居場所はないとどこかへ去って行くか。

詳しい描写がなく、どちらともとれるシーンで幕を閉じました。

という、長くなってしまいましたが、本編の伏線の回収、マコトの踏み込んだ話、その後の話、見せ場である戦闘、待望の新フォームと見所が盛りだくさんのかなり面白い作品になっていたと思います。

本編でどっちつかずになっていた、オカルトとサイバーな感じのうち、サイバー要素を強く取り入れ、安定した出来になっていました。

Vシネマにハズレはありませんが、その中でもかなりの力作に仕上がっていたと個人的に思います。

まだ未視聴の方は是非見てみてはいかがでしょうか?

現場からは以上です。

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