1000%面白い!娯楽のための書籍紹介 その4(時代物編)

「もはやどうにもならん」

二人の友は空しく視線を交差させた。

「磐音、望みがある。おぬしとの尋常の勝負じゃ」




『居眠り磐音 江戸双紙』

著者 佐伯泰英

全51巻

明和9年4月下旬、豊後関前藩の若者坂崎磐音は2人の友と勤番を終え故郷に帰ってきた。
懐かしき故郷に戻ってきた3人の若侍を待っていたのは、予定されていた、家督の相続、祝言ではなく、藩改革を嫌う家老の卑劣な罠だった。
3人は、戦い、そして磐音だけが残った…
シリーズ累計発行部数2000万部を突破するベストセラーですが、時代物は興味のない人は全く見ないので知らない方も多いかと思います。
ですがこの作品、めちゃくちゃ面白いです。
主を失った侍は浪人となり、浪人になると藩からの禄高(給料)が無くなります。
力の意味が武から商へと変わっていく時代に、剣術しか知らなかった侍が、どのようにして暮らしを立てるのか。
江戸に住む人々の様子が分かりやすく書かれています。
この作品の最大の特徴は「読みやすい」ことにあると思います。
まず言葉が分かりやすい。
時代物の小説は多くありますが、単語や表現などが現代では使用されていないものも多いため、辞書やネット検索が必須でした。
この作品にはそれがあまりありません。
また、(一部の人に反感を買いそうですが…)作者考察や、江戸トリビアなどが無いため、作品を途中で中断されることなく読むことができます。
同じように読みやすい作品に畠中恵さんのしゃばけシリーズ、夢枕獏さんの陰陽師シリーズ(最高に面白い)などがありますが、紹介はまた次回以降。
全51巻に及ぶ大長編なので、主人公である坂崎磐音もその暮らしを大きく変えていきます。
磐音と周囲の人々の変化、成長といった物も、この作品の魅力の一部です。

小説は好きだけど時代物はちょっと、という方
史実とか知識とかどうでもいい!おもしろいもん読ませろ!という方
読んでみてください
1000%面白いから。

あとがき

重い話、暗い話を読者に感じさせないのは、著者の腕だと思います。
この記事を読んで、暗そうな本と感じた方、それは違います。
明るい話ばかりではありませんが、どちらかというと穏やかに話は続いていきます。
どうも私は日常の風景を描いたものが好きらしい。

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